★ショートストーリー.ハロウィンver.vol4★

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Trick

or

Treat!!!!!!!!!!!!

 

パソコンを起動させると、毒々しい警告文字がデスクトップに広がりました。

 

とうとう、パンプキンたちが勤怠アプリを飛び出したようです。

 

虚ろな底なしの眼と禍々しく開いた大口はとても好意的な表情には見えません。

 

部長「おいおい、ハロウィン当日だからってこれはやりすぎじゃあないか?」

 

部下一同、部長の言葉に頷きます。さらに不思議なことに、専務に言われ取り除いたハロウィン装飾が、豪華になって戻ってきているではありませんか。

 

先輩「装飾戻したの、なぎちゃん?」

 

なぎ「違いますよぉ。それにね、なんかこの装飾なぎたちが用意したのと少し違うんです…」

 

そうなんです、なぎたちが飾った可愛い明るいハロウィンじゃなくて、黒や紫を基調としたどちらかというと禍々しいデコレーションがオフィスを囲んでいました。

 

天気の悪さも相まって、事務所は陰鬱なカラーに満ちています。

 

バン!!!

 

直後、女性社員の悲鳴がオフィスを貫きました。

 

部長「あぁ、落ち着いて落ち着いて。ちょっと窓にヒビが…風が強いからね、何か飛んできたのだろう」

 

先輩「また大型台風が変なコースで飛んできたからね。いい加減これで最後にしてほしいよ」

 

なぎはヒビが入った窓のそばに寄ってみました。

何が飛んできたんだろうと下を覗き込むと、

 

🎃

 

ぽっかり空いた3つの口が見上げてきました。

意思なんか持たないはずなのに、そいつは邪悪な表情をしています。

 

先輩「うわ、どこから飛んできたんだろう」

いつの間にか先輩がそばに立っていました。

先輩「まるであいつらがパソコンから出てきたみたいだね」

 

パソコンの方はと言えば完全にパンプキンに乗っ取られていました。

勤怠アプリのみならず、どのアプリケーションを開こうにもパンプキンが邪魔してきます。

パンプキンが現れるだけでなく、明確に邪魔をして来るんです。

見たい資料も見えないし、クリックしたいアイコンも隠されてしまいます。

 

先輩「ぶちょー、これじゃ仕事になりませーん」

 

部長「うむ、最もだ。今日は帰った方がいいかもしれないな…」

 

窓の外を見ながら部長が呟きます。

なぎと先輩はあけすけにガッツポーズで帰れる喜びを表現しました。

 

バン!!

 

今度は、ドアが力強く開けられた音です。

 

専務「か〜え〜る〜だ〜とぉ〜?!」

 

なんと間の悪いことでしょう、今日も専務が来ていたのです。

 

専務「パソコンが使えんから帰るだと?ちゃんちゃら可笑しいわ!これだから温室育ちのゆとりは使えないっ!いいか!パソコンなどに頼るな!そんなことをしなくてもできることがあるだろう!片っ端から取引先に電話かけて一本でも多く契約取ってこいやぁっ!」

 

どこぞやのブラック企業でしょう。とは言え温室育ちの自覚があるなぎは何も言い返せません。

 

しぶしぶ名刺名簿と電話を用意する社員たちですが、やる気がないのは丸わかりです。

 

バリバリバリ!!!

 

またも女性社員が悲鳴をあげました。

雷が近付いて来ているのです。

風も勢いを増して来ました。オフィスの中にまで音が聞こえます。

 

Trick or Treat

 

空耳でしょうか?なんだか今、風音に紛れ聞こえた気がします。

先輩も怪訝な顔でなぎに目配せして来ました。

 

それはすぐに大きくなり、誰もがはっきりと聞き取れるようになりました。

 

Trick or Treat!!

Trick or Treat!!

Trick or Treat!!

Trick or Treat!!

 

専務「うるさあああい!だまれえええぇ!」

 

専務が風に負けじと叫び返します。

 

もう誰も仕事なんか続行していません。

肩を寄せ合い猛り狂う台風と叫び狂う専務に怯えます。

 

パソコン画面に目を転じればパンプキンが暴れまわっています。

専務が叫べば叫ぶほど、けたけたと楽しそうに画面の中を飛び回ります。

 

強すぎる暴雨に合わせて建物が揺れます。

紫と黒のデコレーションも外の風に呼応するように揺らめき始めました。

 

専務「いい加減にしろおおおおお!!!!!」

 

専務が手近にあったパンプキンのレプリカを床に叩きつけました。

かぼちゃの顔が割れて、グロテスクに床へ散らばります。

 

バチン!

 

なんの音か?と思う間も無くオフィスは真っ暗になりました。ブレーカーが落ちたようです。

 

すぐに次なる衝撃が来ました。

 

Trick or

Treeeeeeeeeeeat !!

 

叫ぶようなけたたましく笑うような声が暗闇で爆発しました。

 

部長「もうだめだ!だめだ!本日は緊急帰宅とする!臨時休業とする!私の権限で帰宅を指示する!!!!」

 

今更帰れとか言われても無理じゃーい!と先輩が叫びかえしたところでピタリと騒ぎが止みました。

それどころか雲間から日が差しています。

 

専務「あぁ…目だ…台風の目だ…」

 

部長「さぁさ、みんな今のうちだ!すぐに帰り支度をしたまえっ!」

 

放心してぐったりしてしまった専務をタクシーに押し込み、なぎたちも大慌てでそれぞれの家路に着いたのでした。

 

明日は木曜日、なぎたちに通常営業は戻って来るのでしょうか…?

 

TO BE CONTINUED…

 

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Jamie's Pumpkin