★ショートストーリー.職場裁判vol1★

こんちー、なぎさです。

 

1-1

ある晴れた日の平日昼下がり、とある会議室でのことです。

 

1-2

13時を待って、先輩のミオが声を張り上げました。

「お静かに願います!裁判長が入室されます!」

 

1-3

宣言通り、厳かな表情の部長が入ってきました。

部長の着席を待ってなぎたちも席に座ります。

ミオが言います。「検事のなぎささん、被告の罪状を述べて下さい」

 

1-4

なぎ「はい。

課長、そして 栄子(エイコ)さんには、社内不倫の咎により『左遷』を求刑します!」

 

1-5

オーディエンスの視線が課長と栄子さんに集まります。

毅然と前を向き続ける課長さんと、俯いてしまう栄子さん。

ミオ「検事、続けて冒頭陳述をお願いします」

 

1-6

なぎ「それでは冒頭陳述を行います。被告の課長と栄子さんはおよそ2年前、栄子さん異動をきっかけに知り合いました。当初はいたって健全な上司部下の関係でした。

 

1-7

業務を通してお互いの理解を深めるにつれ意気投合し、いつしか2人で飲みに行くことも増えました。この時点の2人は仲が良い上司と部下でした。

 

1-8

決定的な一線を超えてしまったのはおよそ一年前、泥酔した上司を栄子さんが自身のアパートで休ませたことがきっかけです。

それ以来秘密の逢瀬は定期的に栄子さん宅で開催されていました。

 

1-9

2人の関係が発覚したのは2週間前、美子(よしこ)さんの『腕組んでアパートに入るとこ見たよ』という証言によるものです。

それについても当初課長はシラを切り通そうとしていましたが…」

 

1-10

係長「異議あり!『シラを切ろうとしていた』というのは検事の主観であり印象操作です。発言の撤回を求めます!」

部長「係長の異議を認めます。なぎささんは先ほどの発言を取り消してください」

 

 

1-11

1年に渡り不貞な関係を続けてきた二人の倫理感は信頼に値せずそんな人間的信用が低い二人と今後も仕事を続けて行くことは困難であるし、他の社員の士気を下げる要因にもなりかねません。

また、二人に何の罰則もないとなれば社内不倫の助長にもなります。

よって、被告の二人には『左遷』を求刑します」

 

1-12

先輩「検事、ご着席さい。続いて弁護人のミヤマ係長、弁論をお願い致します」

 

係長「はい。

まず初めに私はみなさんにお伺いしたい。みなさんは、二人が不倫をしたことで何か直接的な迷惑をこうむりましたか?」

TO BE CONTINUED…

社内裁判ショートストーリーvol2.副部長が展開する不倫弁護論とは?
Judge Frodo