★ショートストーリー.職場裁判vol1★

こんちー、なぎさです。

 

ある晴れた日の平日昼下がり、とある会議室でのことです。

13時を待って、先輩が声を張り上げました。

 

先輩「お静かに願います!裁判長が入室されます!みなさまご起立下さい!」

 

宣言通り、厳かな表情の部長が入ってきました。

部長の着席を待ってなぎたちも席に座ります。

 

先輩「検事、被告の罪状を述べて下さい」

 

なぎ「はい。

課長、そして事務職 栄子(エイコ)さんには、社内不倫の咎により『左遷』を求刑します!」

 

オーディエンスの視線が会議室中央に座る課長と栄子さんに集まります。

毅然と前を向き続ける課長さんと、俯いてしまう栄子さん。

 

先輩「検事、続けて弁論をお願いします」

 

なぎ「被告の課長と栄子さんはおよそ2年前、栄子さんが異動してきたことをきっかけに知り合いました。当初はいたって健全な上司部下の関係でした。

 

業務を通してお互いの理解を深めるにつれ意気投合し、いつしか2人で飲みに行くことも増えました。この時点の2人は仲が良い上司と部下でした。

 

決定的な一線を超えてしまったのはおよそ一年前、泥酔した上司を栄子さんが自身のアパートで休ませたことがきっかけです。

 

それ以来2人だけの秘密の逢瀬は定期的に栄子さん宅で開催されていました。

 

2人の関係が露呈したのは2週間前、美子(ビィコ)さんの『腕組んでアパートに入るとこ見たよ』という証言によるものです。

それについても当初課長はシラを切り通そうとしていましたが…」

 

副部長「異議あり!被告は酔っていて記憶が定かじゃなかったと証言しています。『シラを切り通そうとしていた』というのは検事の主観であり印象操作です。発言の撤回を求めます!」

 

部長「副部長の意義を認めます。なぎさんは先ほどの発言を取り消してください」

 

なぎ「分かりました、シラを切ろうとしていたのは私の思い込みのようです、取り消します。

 

1年に渡り不貞な関係を続けてきた二人の倫理感は信頼に値せずそんな人間的信用が低い二人と今後も仕事を続けて行くことは困難であるし、他社員の士気を低める要因にもなりかねない。

また、二人に何の罰則もないとなれば社内不倫の助長にもつながる。

 

よって、被告の二人には『左遷』を求刑します」

 

先輩「検事、ご着席さい。続いて弁護人、弁論をお願い致します」

 

副部長「はい。

まず初めに私はみなさんにお伺いしたい。みなさんは、二人が不倫をしたことで何か直接的な迷惑をこうむりましたか?」

 

TO BE CONTINUED…


Judge Frodo