★ショートストーリー.職場裁判vol3★

前回までの話

 

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なぎ「栄子さん、正直な気持ちをお聞かせください。課長との不倫を、後悔していませんか」

 

栄子さん「後悔、ですか」

 

副部長「異議あり!後悔という個人的感情は今回の裁判内容と関係がありません。質問の撤回を求めます」

 

なぎ「後悔の有無は罪の意識と密接な関係にありますから、必要な質問です」

 

副部長「ならば最初から罪の意識について質問すればいいと思いますがね」

 

部長「弁護人の異議を認める。検事は核心に触れる質問を心掛けるように」

 

なぎ「ちっ。それでは質問を変えましょう。罪の意識はありましたか、栄子さん?」

 

栄子さん「ご家族に対しては…はい。申し訳ないと思っています…」

 

なぎ「でしょうね。職場の仲間に対してはどうですか?」

 

栄子さんはなぎのことを見ようとしてくれません。睨むように栄子さんへ視線を送る課長を見つめています。

 

栄子さん「職場には…迷惑をかけたつもりはありません」

 

なぎ「つもり、はない?こうして裁判を受けている今はどう思いますか?今でも、職場の仲間に対して申し訳ないという感情はないですか?栄子さん、私のことを見て、答えてください」

 

課長から視線を外した栄子さんは、しかしなぎの方へは向いてくれず、俯いてしまいました。

 

栄子さん「はい…ありません」

 

なぎ「…そうですか。残念です。私からの質問は以上です」

 

これ以上栄子さんから本音を引き出せるとは思いませんでした。

 

先輩「それでは続いて、被告 課長殿の尋問を行う。課長殿、前へ。弁護人は尋問があればお願いします」

 

栄子さんと入れ替わるようにして課長が証人席へ進みます。

 

泣きそうな栄子さんと打って変わって、しかめ面が証人席へ収まりました。

 

副部長「課長殿、検事が弁論で述べた内容については認めますか?」

 

課長「えぇ、認めます」

 

副部長「罪の意識や謝罪の気持ちはありますか?」

 

課長「いいや、そんなものありませんね」

 

TO BE CONTINUED…

 

 

Judge Coco Declares Ang Out of Line!