★ショートストーリー.チェリーボーイの寿命vol.4★

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★★★★★★★★★★

童貞「おはよー、なぎさ」

なぎ「おっはよー!」

「あー、急だけどさ、お前今日予定とかあんの?」

「ぶっちょさんと飲みに行くよ!」

「(部長と一緒か…まあいい)いいなぁ!俺も混ぜてくれよ!」

「おっけー!」

 

かくして、邪な気持ちで参加する飲み会ほどうまくいかないものである。

部長「おおい!若いの!まあ飲め!」

童貞「あ、ありがとうございます!」

絶え間ない部長の酌を受けながら、隣テーブルに座るなぎを恨めしげに見つめる童貞だった。

なぎ「課長はん、盃が空いておりますよ♪」

課長「なぎさくん…私はそろそろ飲めないのだが…」

 

へべれけで帰った童貞をエプロン姿の幸子が迎えた。

「おかえりなさい。女と2人で飲んできた訳じゃなさそうね」

「うるせぇ。目当ての女がいる飲み会だったんだから意味はあるんだ」

「そんな酔っ払う前に、2人だけで飲まない?って抜け出せばいいのに。ばかねぇ」

「…そういう方法があるということを覚えておこう」

 

手を引かれてテーブルに座れば冷たい水を出してくれた。

「もしかして、部屋片付けてくれた?」

「そうよ。勘違いしないで欲しいのだけれど、私が快適に過ごすためよ」

「あ…そうですか」

「サキュバスは自分のためにしか働かないの。この世の全ては私のために存在している、それがサキュバスの信念よ」

「それ信念っていうの?」

「でもね、例外もあるのよ」そう言って差し出されたのはネクタイピンだった。

「あなたタイピンすら持ってないみたいだったから。サキュバス特製タイピン用意しといたよ」

派手過ぎず、かと言って地味過ぎず、若手社員が身につけても嫌味がない絶妙に洒落たタイピンだった。

「モテちゃって童貞卒業されるのは困るけど、かと言って魂もらう相手がしみったれたサラリーマンっていうのもね」

「誰がしみったれたリーマンだよ。でも、ありがとう。正直言って、すげぇ嬉しい」

サキュバスと言えど、女性からのプレゼントを素直に喜ぶ童貞であった。

 

TO BE CONTINUED…

うまる人