★中村文則 著「教団X」~何を信じ何を想い生きるのか~★

こんちー、なぎさです。

 

中村文則 著、教団Xを読みました。

教団X

教団X 著者:中村文則

突然自分の前から姿を消した女性を探し、楢崎が辿り着いたのは、奇妙な老人を中心とした宗教団体、そして彼らと敵対する、性の解放を謳う謎のカルト教団だった。二人のカリスマの間で蠢く、悦楽と革命への誘惑。四人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。著者の最長にして最高傑作。

Kindle版   集英社文庫   単行本

 

 夢中になってまたも一気読みしてもうた。

仏教や宇宙の成り立ちの話は難解やなぁと思ったけど、そんなん気にならへんぐらい読んでよかったと思った。

上記の通り閉鎖的な宗教団体を中心に話は展開していくけど、「私無神論者なんで」と無関係だと思っちゃあいけない。だって信じる心は誰にでもあるから。

あと、生々しくエロいシーンが多い。

 私も知らないうちに洗脳されているかも

日本は宗教信仰が薄いと言われているけど、だからって日本人が何も信じていないという訳じゃあない。

神社とかお寺とかマインドフルネスとか精神的なものに始まり、金や科学を絶対とする思想とか。みんな何かしら信じて何かしらの倫理観を基に行動しとるやろう?

疑わずに信じるのは楽だね。当て嵌まらないものがあれば否定すればいいだけだから。受け入れる努力も悩みもないから。

疑い始めると何が何だが分からなくなるよね。会社員するのも馬鹿らしくなっちゃうよ。

でも、考え続けることを止めてはいけないと警鐘してくれる小説でした。

 

カルト集団、っていう響きはやっぱり「変なもの信じて」って思うよね。

うちらが信じてるものは大丈夫なん?うちらが信者たちの中にいるから気付かないだけで、「外」から見たらカルトなのかもよ。教団・宗教という形をとっていないだけ、カルトの中にいるって気が付きづらいのかも。

絶対正義はあるのか

どんなに正しいと思う倫理でも裏を返すことができる。

例えば極端な話、「人を殺しちゃいけない!」これって絶対の倫理だと思うじゃん?でも時代と思想が違えば人を殺すことはヒーローにもなるやん?

だから全体最適を考えると倫理は簡単に崩壊してしまう。

世界規模でみる全体最適なんて無理だよ、自分の範囲だけの幸せを追求しよう。

うん、そうなるよねめっちゃわかる。

でも「世界平和を追求しようって、そんなの理想論だって批判されても世界平和を掲げようっ」て松尾とよっちゃんは言ってたよ。

(松尾とよっちゃんが誰かって?それは本書を読んでみてね!)

読んでて苦しいけどおすすめする

「読後感すっきり!」とかそんな小説じゃないけど。

どうにもならない世の中と人間の不器用さに心がざわざわするけど。

でも読んでよかったと思う。

享楽的に生きてきたなぎさは頭を叩かれた気分ですよ。

そりゃ知ってたけど。遠くの国では今日も飢饉と紛争が蔓延っているって。知ってたけどさ、でもさ。

この「でもさ」の中に含まれた保身的で欲深いところをぐさりとされた感じ。

と、言いつつすぐには行動へ移せない自分のことも分かってて、そういうところも狡いな~、と思ったり。「すぐには」っていうけどそもそも行動に移すことあんのんかい、みたいな。

こうやって心の逡巡に影響を与える小説です。

 

ネガティブモードじゃない時に読むことをすすめる!

ほんじゃあね

教団X (集英社文芸単行本)

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  • 作者: 中村文則
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/08/14
  • メディア: Kindle版
 
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