★ゆとりと団塊の365日10月

ゆとり団塊

前回までの話

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10月中旬、最後のインタビュー。

相手は社長である。

 

団塊「おい、そんな硬くなるな。何も怒られに行く訳じゃねんだからよ」

と団塊は言うがゆとりは緊張の面持ちのままだ。

 

ゆとり(任せよう、団塊さんに任せよう。適材適所、団塊さんを巧く使うんだ)

まじないのように心中で繰り返し唱える。

浮かぶのはいつかのマドンナのウインクである。

残念ながら今回、彼女の同席はない。

 

約束の時間ぴったり、ノックと同時に室内の返事も待たず社長が入室してきた。

団塊「お忙しいところ、恐縮です」

立ち上がり頭を下げる団塊にゆとりも倣う。

そんな団塊に「おう、久しぶり!」社長は気さくに声を掛けたのだった。

 

インタビューというより昔話に花を咲かせる2人の談話に、ゆとりは途中から議事を取るのを諦めた。

予定通りにインタビューを終えると社長は颯爽と出て行った。

忙しいスケジュールの合間を縫って参加してくれたのだろう。

 

団塊「はぁー、終わった終わった」

ゆとり、珍しく団塊に共感する。

 

ゆとり「仲、良かったんですね。社長と」

インタビュー中の2人は和気藹々としていた。

団塊「ただの先輩、後輩だよ。俺が先輩だったんだそ。今じゃこっちがペコペコしてるけどな」

そう言う団塊はどこか楽しげだ。

 

なんとなく知っていた会社の沿革が、インタビューを通して『歴史』として認識されていく。

 

ゆとり「今の会社があるのは、団塊さんたちのお陰なんですね」

自然に口をついて言葉が出た。

団塊「分かってきたじゃねぇか」

団塊はにこりともしなかったが、力を込めてゆとりの背中を叩いた。

 

TO BE CONTINUED…

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