『落花』澤田瞳子|平将門の乱を舞台に人の心と向き合う

こんにちは、なぎさです。

本日は澤田瞳子さん著作『落花』をご紹介します。

平安時代中期の出来事、「平将門の乱」を題材にしています。

2019年上半期直木賞候補作です。

動画でサクッと紹介

動画で『落花』をご紹介しています。5分半の動画です。

平将門かっこいいじゃん!『落花』澤田瞳子

あらすじ

唄を極めるために師を探し、京から坂東(現在の関東地方)へやってきた寛朝。

しかし坂東は荒くれ者の土地、滞在する屋敷にも賊が攻めてきた。そ

の場を取り成したのが平将門であった。

義に篤いとは言え、平将門も荒くれ者。殺生が多い坂東という土地に寛朝は嫌気がさす。

しかし時代の混迷に巻き込まれる将門は、ますます戦一辺倒になっていき、寛朝はいつしか将門に魅入られていく。

歴史背景

平安時代中期の関東地方を舞台にした話です。寛朝も平将門も実在したといわれている人物です。

寛朝

主人公の寛朝は天皇の孫なので、かなりいい身分の僧です。Wikipediaに載っているぐらいの人物です。

住んでいるのは京ですが、平将門の乱が起きた時は坂東で祈祷をしていたようです。

平将門

坂東平氏の一人です。兵士と言えば平清盛が有名ですね。清盛は将門の約200年後に生まれます。

つまりこの頃の平氏は地方の一豪族にすぎません。

それにしても「平安」って長かったんだね…!

平将門の乱

上記の平将門が京の朝廷に対して起こした謀反です。

坂東の役所に攻め込み、「俺が新皇だ!」と宣言します。

しかし朝廷から派遣された隊(しかも身内の平氏が率いている)に討伐された。

Wikipediaの説明を読むと平将門は不遜で生意気な輩に見えますが、そうでもなかったのでは?という研究もあり。

本作『落花』でも将門は義に篤い男と描かれています。

何故そんな将門が謀反を起こすことに…?読んだ方はご存知ですね。実直故の不器用と言うか、正直者が馬鹿を見るというか…。

死生観、人の在り方…壮大なスケールの物語

寛朝が僧であることから仏教の思想が至るところに出てきます。さらには戦という舞台ゆえに生死が身近に起こる物語です。

「この世に、全き者なぞはいない」善悪ってなんだ、人とはなんだ。なぜこの世に生きるのか。

寛朝の語りとともに、読者も考えさせられます。

コンプレックスと執着

寛朝は「父親から疎んじられている」という引き目を持っています。だから身内と揉めている将門にシンパシーを感じてしまうのですが。

他に出てくるキャラクターもそれぞれコンプレックスや執着心を持っているのですが。

本人にとっては離せない執着。でも他人から見たら「そんなに大切か?」というもの。

平安から現代まで、人間ってあんまり変わらないんだなあって。

壮大な歴史小説です。読み応えあります。

落花 (単行本) [ 澤田 瞳子 ]

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ほんなら読んでくれてありがと~!

ほんじゃあね!

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