『トリニティ』窪美澄|女はどう生きていく

こんにちは、なぎさです。

本日は窪美澄さん著作『トリニティ』をご紹介します。

2019年上半期の直木賞候補作でした。

存命の人物がモデルになっています。

あらすじ

ある日、仕事で知り合ったイラストレーター・妙子の訃報が届く。

報せを受けた鈴子は孫の奈帆を連れ斎場へ。そこでエッセイストの登紀子と再会する。

この再会がきっかけで奈帆は登紀子に彼女の人生をインタビューすることに。

登紀子が語る、戦後昭和の新しい時代を生きた女たち。

新しい雑誌、新しいイラスト、新しい記事、新しい生き方。

その人生の終わりはどこへ行き着くのか。

世代間で全く読み方が異なる小説

こちらの小説、戦後昭和の実在の人物がモデルになっています。

平成生まれのなぎさは元ネタを全く知らず、バブル世代が「小説にするには時代が近すぎる」「(直木賞選考委員の)林真理子さんはどう評価するんだろう」と盛り上がっているのをちんぷんかんぷんに聞いていました。

この小説はどう見ても「女の生き方」を描いた小説なのだけれど、モデルを知っている人たちは想い出に引っ張られちゃってそれが見えないみたい。

冷静にこの小説を評価できる世代こそが読むべきだと思わない?これからをどう生きるか迷う女性におすすめする一冊です。

「平凡パンチ」「アンアン」を知っているか?

世代の分かれ目は雑誌「平成パンチ」や「アンアン」全盛期を知っているかどうか、です。

知っている人は『トリニティ』表紙のイラストを見て「うぉぉぉお!懐かしい!」と思うそうな。

ちなみに「アンアン」は現在の「anan」ですよ。

今は「女性誌の一つ」という地位ですが、かつては女性誌のパイオニア的存在だったとのこと。

「SEX特集」等で賛否両論ある「anan」ですが、創刊当時から性的なものに肯定的だったんですね!

モデルとなった人物たち

モデルとなった人物は上記の「平成パンチ」や「アンアン」の全盛期を築きました。

表紙のイラストを担当したイラストレーター・大橋歩さん。現在もご存命です。小説内では「妙子」にあたります。

「anan」の特徴的な文体を作り上げたライターでエッセイストの三宅菊子さん。小説内では「登紀子」であり、三宅さん自身の最後も登紀子と共通点があるようです。どれぐらいの部屋に住まれていたのか、とかまでは分からないですけれどね。

女の生き方~昭和・平成、そして令和へ~

『トリニティ』で描かれているのは主に戦後昭和時代です。

女の生き方が大きく開けてきた時代。登紀子も妙子も自身の才で稼ぎ、家族を養います。一方で鈴子のように専業主婦の道を選ぶ女性ももちろんいます。

仕事・夫・子供。トリニティ(=かけがえのない三つのもの)を欲張るとどうしてこんなにも大変なんでしょう。

昭和から平成を経て、令和という新時代を迎えたけれど、その大変さはあまり変わっていない気がします。

仕事を手放した鈴子。仕事に手を抜けないがゆえ、夫・子供との関係に苦悩する登紀子と妙子。

ね?現代女性の苦悩にも通ずるところがあるでしょう。

今まさにこういう問題に直面している女性、これから直面するであろう女性、読んでみんしゃい。

トリニティ [ 窪 美澄 ]

created by Rinker
¥1,836 (2019/08/25 22:58:27時点 楽天市場調べ-詳細)

もっとも、この小説の中で「トリニティ」が何を指しているかは、読者それぞれの解釈があると思います。

あなたは何だと思う?かけがえのない三つのもの。

読んでくれてありがとう!

ほんじゃあね!

▼関連動画

[直木賞]候補作全作読んだので書評・後編[2019年上半期]