畠中恵『しゃばけ』愛すべき妖たち。これでお化けも怖くない?

こんにちは。なぎさです。

本日は畠中恵さん著作『しゃばけ』をご紹介します。

2001年に日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞した作品です。

動画でサクッと紹介

動画で『しゃばけ』をご紹介しています。6分の動画です。

夏の夜に妖物語『しゃばけ』畠中恵

あらすじ

時は江戸時代。

大きな廻船問屋(現代で言う商社)の一人息子・一太郎はめっぽう身体が弱い。体調を崩して何度も生死を彷徨ってきたお陰で、十七歳になった今でも両親と手代(使用人のこと)に過保護に守られていた。

そんな一太郎と手代たちには秘密が。実は妖が見える・分かるのだ。

親と手代の目を盗んで一太郎が遠出したある日、帰り道に殺人と出くわしてしまう。何とか逃げ帰ったものの、それは連続殺人事件の幕開けだった。

犯人は何を探しているのか、そしてナニモノなのか?

妖怪に愛着が湧く

読んだ方に間違いなく共通する感想は「妖怪かわいい」でしょう!

もしくは「うちも妖怪に守られたい」かな?

「妖怪苦手。夜はお化け怖い・・・」というあなた、本作を読めば怖くなくなりますよ♪

とくに魅力的なのが手代の「犬神」こと佐助と、「白沢」こと仁吉ですね。

犬神も白沢も実際に言い伝えがある妖怪なんですよ。

妖怪:犬神 白沢

犬神はその名の通り犬憑きの妖怪です。犬の霊がこの世に残って妖怪になったのでしょう。

一方、白沢は中国に伝わる聖獣です。「白澤」とも書きます。聖獣なので麒麟みたいな存在ですかね。

言い伝えによると「1対の牛に似た角をいただき、下顎に山羊髭を蓄え、額にも瞳を持つ3眼、更には左右の胴体に3眼、併せて9眼」というルックスです。なかなかインパクトありますね。

『しゃばけ』では白沢こと仁吉はイケメンキャラなんだけどな・・・

Wikipediaから白沢の画像を転記しておきますね↓

城間清豊という画家が描いた白澤

「強くなる」物語

「強くなりたい。たとえ心地よくないことでも、受け止めるだけの強さを身につけたい……」

『しゃばけ』P.324

本作、妖怪と楽しくファンタジーするだけの物語ではありません。

人が強くなる物語です。

一人息子でありながら十七歳になっても店に立つこともままならない身体が弱い一太郎。

和菓子屋の倅に生まれながら、餡作りが絶望的に下手な幼馴染の栄吉。

跡取り息子ができないことを気に病み、外腹で子を作った父。

そして外腹の息子を受け入れられず、追い出した母。

それぞれが思い通りに行かない現実を抱えながら、それを受け止めようともがいている物語です。

本作はファンタジーでありますが、同時にミステリーでもあります。

連続する殺人事件、しかし下手人(犯人)は都度捕まっているのです。別々の下手人による殺人が頻発しているのですね。これ、現実に起こったらめちゃくちゃ怖いな…

しかも不思議なのが、狙わるのは薬屋ばかり。犯人はいずれも「そんなことする人には見えなかった…」と言う人たち。殺人時に「薬をよこせ!」的なことを言う。

これはどうも、人ならざるものの存在を感じますね…しかも殺人の動機は主人公・一太郎の出生と関係があるらしい。手代たちは何か隠しているようです。

ちなみに!読んだ方は分かると思うのですが!「返魂香」は中国の言い伝えに実在するお香なんですよ。もちろんあくまで言い伝えですけどね。

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さて、一太郎・佐助・仁吉が登場する妖怪物語、シリーズになり何冊か続編が出ております。

また妖怪たちに会いたくなったら、続きを読むのもいいのではないでしょうか。

ほんなら、記事見てくれてありがとう。

ほんじゃあね!

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