『スワン』呉 勝浩|後悔はある、でもどうしようもなかった

こんにちは、なぎさです。

今回ご紹介するのは呉 勝浩さん著作『スワン』です。

2019年下期の直木賞候補作です。

なんで『スワン』というタイトルかって、それがすごく分かりやすかった🐥

あらすじ

ショッピングセンターで発生した大量虐殺事件。

犯人の自殺を以て事件は収束する。

事件に巻き込まれたが生き残った者、家族を失った者、事件中の行動を世間から責められる者。

事件は終わっても人生は続く。

後悔はある、だけどどうしようもなかった。犯人が悪い、それじゃだめなのか。僕は悪くない。

抱えた心の傷とトラウマ、これからも生きる者たちはどうすればいいのか。

座談会を通じて事件の全容が、当事者たちが隠した事実が、明らかにされる。

ミステリー仕立て、でもある

一つの事件を軸に物語が展開していきます。

登場人物はその事件に巻き込まれた被害者たち。被害者たちなのに、なぜか皆さん罪の意識を隠しているような?

なぜなのか。それが事件後の「座談会」を通じて少しずつ明らかにされます。

もちろんスマートに明かされるわけじゃないですよ。みなさん喋りたがらないですから。

忘れたふりや、あえての黙秘。もしくは微妙な嘘。

事件の詳細が詳らかにされていく展開は、わくわくします!

私が悪かったのか。後悔と罪悪

座談会に参加している被害者たちは様々に心の屈折を抱えているわけで。

「あの状況で何ができたというの?」「仕方がなかった。僕は悪くない」「悪意はなかった。良かれと思って」「何もできなかった。何も気が付かなかった」

事件に関して言えば犯人が悪い。そもそも犯人が悪の根源。

だけど、生き残った人と亡くなった人。その境目はなんだったろうか。

もしあの時あの人に……もしあの時私が……

世の中もそうやって責める。「あの時あなたがそうしたからあの人は死んだ」

犯人が悪い、それじゃだめなの? せめて外野(世の中)はそう言ってあげるべきじゃないの。

今後の対策を検討するのと、当事者を責めるのは別だと思う。

で、本作では人が死んでいるから当事者たちが受けるダメージも相当に重いわけですが。

私が悪かったのかな……という後悔は私たちの人生でも頻繁に起こっている気がする。

悪意はなかったんだけど結果的に誰かを傷付けてしまった。

でも、時間が巻き戻っても、結果を知らない私に戻ってしまったならまた同じ選択をするだろうな、とも思う。

誰かを傷付けてしまったという後悔と反省を今後に活かしていくしかないよな……

生きるって傷だらけになることだね~

だども、これからも頑張って生きようね!

読んでくれてありがと~、ほんじゃあね~

関連動画

2019年下期直木賞候補読み比べ!『熱源』受賞おめでとうございます!