『音に聞く』高尾長良|言葉か、音か

芥川賞の候補になっていたので、高尾長良さん『音に聞く』を手に取りました。

姉妹がウィーンに行く話。

旅行じゃないよ、父親に十何年ぶりに会いに行ったの。

作曲の才能を持つ妹と、言葉に絡めとられた翻訳家の姉。

父親はウィーンで成功した音楽評論家、作曲家。

そら、妹の方に目が行くわな。

言葉か、音か。

父親は「音こそ」という。「言葉なんてのは」。

と、言うこの物語自体が言葉の連なりであるんだけども。

音を通してしか世界を認知できない妹と、言葉にのめり込む姉。

局地的に見えて普遍的。

芥川賞にノミネートされる作品って不思議だよね~

ストーリーあるようでないような。

物語性よりも、言葉自体の神秘性重視。

読んでる間もふわふわしちゃう。

どこかに着地できるのかな? と思ってたら

着地できないまま放り出されて自分で着地点作るしかない、みたいな。

一つ一つの文を理解しながら読むんじゃなくて、感じながら読む感じ。

読み進めてるっていうか、言葉の海を泳いでるみたい。

みんなも泳ぎたくなったら読んでみてね、『音に聞く』

読んでくれてありがと! ほんじゃあね!