ヘビーなブロー喰らった気持ちなう|『流浪の月』凪良ゆう

こんにちは、なぎさです。

本日ご紹介するのは凪良ゆうさん著作『流浪の月』です。

2020本屋大賞ノミネート作品です。

動画でサクッと紹介

動画で『流浪の月』を紹介します。約8分の動画です。

[読書記録]凪良ゆう『流浪の月』|勘違い善意ほどうざいものはない

あらすじ

両親がいなくなり叔母の家に身を寄せる小学生の更紗(さらさ)。

だけどどうしても家に帰りたくない。毎日が苦痛で仕方ない。

「うちに来る?」帰らない更紗に声を掛けたのは大学生の文(ふみ)。

更紗は進んで文の家に行ったし、帰りたくなかったから居候し続けた。

世間はそれを「誘拐」とし、文は「ロリコン犯罪者」で、更紗は「かわいそうな被害者」になった。

15年後、更紗は普通の女性になったけれど、「かわいそうな被害者」のレッテルは付いて回った。

ある日、偶然町で文を見付ける。

文のことが気になって仕方がない。でも恨まれているかもしれない。

更紗が文の優しさに甘えなければ彼は犯罪者にならなかった。

二人の関係は交わることがあるのか。世間はそれをよしとしないけれど。

これも一つの愛のカタチ

恋愛物語ではないです。決して決して。

だけどこれも一つの愛のカタチ。

2017年に直木賞を受賞した『月の満ち欠け』を思い出したよ。

あれも独特な愛のカタチを物語った小説だったよね。

そういえばタイトルに「月」が入ってるのも同じだね。

どうして本作のタイトルが『流浪の月』かって?

最後まで読めばわかる。

迷惑な善意

印象的なのは「更紗ちゃん誘拐事件」に対する世間と当事者の認識のズレ。

「事実と真実は違う」って言葉が染みる物語でした。

外野は「事実」だけを見て「真実」を知ろうとする。

でも当事者しか真実は知り得ない。

「何にも知らないくせに、分かったような顔しないで!」

って言いたくなったことありませんか?

しんどいのは「分かったような顔」した人が善意を向けて来た時。

その人が心の底から心配して善意を向けてくれたことは分かる。

でも誤解してるから余計なお世話なんだけど。

でもでも善意からしてくれてるからむげにはできない、思いやってくれたことはありがたい。

しんどいね。重いね。ありがた迷惑だね。

これでもさ、自分が「迷惑な善意者」になってる可能性もあるよね。

って本作を読みながらおもいましたよ。

羅列された事実だけ眺めて勝手に被害者と加害者を決めてなかったかな

勝手に憐みの気持ちを向けてなかったかな。

ゆるゆるとしんどかった

ありがた迷惑な善意を向けられ続ける更紗を見ていてとてもしんどかった・・・。

ゆるゆると気持ちが引っ張られていくぜ、更紗はこんな気持ちの中で生きて来たんやろうか。

「しんどい」っていうのは「この小説すごい」って意味です。

心を掴んで揺さぶられたってことなので。

このしんどさは、『平場の月』を思い出したです。

朝倉かすみさん著作『平場の月』をご紹介します。山本周五郎賞受賞、直木賞候補作。

こっちは50代の愛を描いた物語ですが。

あ、またも「月」がタイトルに入ってる。

ほんじゃ~、気になったら読んでみてね。