読書記録『下町ロケット』シリーズ|池井戸潤

こんにちは、なぎさです。

ドラマでヤタガラスが放映されてから読もうと思い続けて早一年?もっと?

やっとこさ『下町ロケットシリーズ』を読み始めました。

佃社長が阿部寛で脳内再生されています。

シリーズ全4作

『下町ロケット』シリーズは『下町ロケット』『下町ロケット ガウディ計画』『下町ロケット ゴースト』『下町ロケット ヤタガラス』の4作から成ります。

1作目の『下町ロケット』は2011年上半期の直木賞受賞作ですね。

各作、あらすじをご紹介しましょう。

下町ロケット

ロケット研究者の道を諦め、家業の佃製作所を継いだ佃航平。

佃が研究者時代のノウハウを活かしたことで、佃製作所は研究開発を充実させていた。

ところが特許侵害で訴えられたり、大企業が特許を買収しようとしたりと波乱万丈の佃製作所。

特許契約を退け、あくまで部品供給にこだわる佃。賛否両論で割れる社内。

果たして佃製作所は存続できるのか、そして自分の技術でロケットを飛ばすという佃の夢は叶うのか?

下町ロケット ガウディ計画

舞台は空から人体へ。

医療機器の部品製作を依頼された佃製作所。
「人の命を救いたい」と開発に没頭する若手研究員。
しかし資金の問題や医学会の権力争いが、医療機器「ガウディ」製品化の前に立ちはだかる。

佃製作所はガウディを世に送り出すことができるのか?!

下町ロケット ゴースト


今度の舞台は大地。

得意先との取引変更がきっかけで農業用トラクターの部品制作に興味を持つ佃製作所。

培ってきた技術に自信もあるし、これは事業の柱になりうる、と研究開発を進めるが・・・

大企業の圧力、取引先の裏切り、相次ぐピンチを乗り越えて新たな事業は軌道に乗るのか?

下町ロケット ヤタガラス

前作に引き続き農業トラクターの部品制作に取り組む佃製作所。

大企業のプロジェクトに部品供給することになったが、ライバルになるのが下町中小企業からなる「ダーウィン・プロジェクト」

世間は「ダーウィン・プロジェクト」を応援する向きだが、どうも「ダーウィン」の様子がおかしい?

大地編、完結の最新作。

合理化の時代だけど夢を見てもいいじゃない

池井戸作品ではいつも泣きます。今回も例外にならず。

社員が一丸となって一つの目標に向かっていく姿がいいんですよね。グッときます。熱いものがこみ上げると言いますか。

佃製作所はまさにそう。社長の熱い想いが社員に伝播して、研究者・営業・経理、みんな一丸となって同じ夢を追いかける。

大人版青春小説ですわ!

お金と夢のはざま

池井戸作品では「合理化主義」「営利至上主義」が悪者として登場します。(だいたい銀行がその役を担ってる)

「人情も夢も分からない金の亡者め!」

とか思いながら読んでますがでもさ、でもさ、現実はさ、

現実では合理化が今の世の中の流れだし赤字垂れ流しじゃ企業は倒れちゃって従業員を養えないし。

夢よりお金が必要な場面もある。

(コロナ不景気の世の中だと痛切します)

だけどやっぱり夢を追いかける大人ってかっこいいよな。

夢物語だとしても。そういう道だってあるんだって思いたいじゃない。

それを教えてくれるのも小説の魅力なのかな

どうしてもついて回る、お金の問題。

中小企業が新しい技術を開発しようと思ったら、その開発資金を捻出するのも大変。

融資をお願いしようにも「その技術、本当に稼ぎになりますか…?」という壁!

お金がなくなれば夢と熱意があっても研究開発が続けられない!!

前作の「下町ロケット」でもそうでしたけど、資金繰りといつも戦っている感じがありますね…。

夢と熱意だけじゃ事業は続けられない。お金は必要。

お金のピンチを打開するアイデアも、熱意から生まれるのかな、と教えてくれたのは本作でした。

組織の暴論

このシリーズに欠かせない存在の一つが、大企業「帝国重工」。

ある時は立ちはだかる壁であり、ある時は強力な味方であります。

印象的なのは下町中小企業である佃製作所との対比。

大企業には大企業の理論があるのです。

これね、めっちゃわかる!!!!!

縦割り組織で融通がきかない

まぁね、ある程度組織が大きくなると、細分化・役割分担・共通ルールが必要だと言うのは分かります。

そうじゃないと組織を組織として保てなくなりますから。

だけど部署どうしのライバル意識や「それはそっちの仕事でしょ」という素知らぬ顔、それから融通が利かないお役所仕事(主に総務畑)は本当に面倒くさい!!

大企業でこそ助け合いの精神は見直されるべきだと思う。

価値観の集落化

大企業には成功体験がある。

その成功体験は先輩・上司から脈々と受け継がれる。

なんなら、新入社員研修にて「わが社の歴史」として徹底的に洗脳される。

だから社員たちは成功体験に基づき構成された価値観を「正しいもの」と信じて疑わない。

社外の取引先に対してもそれを「正しいもの」として振りかざす。

取引先が難色を示そうものなら、「だからこの会社はこの程度なんだ」と思ったりする。

だけど時代は流れるもので、昔は「良し」とされていたものがいつまでもそうだとは限らない。

大企業はそれに気が付かず「昔の成功」体験にしがみつき続ける。

私自身、大企業で勤務する中で、「あれっ、間違えてるのこっち(大企業)じゃん…」と目からウロコでヒヤッとする体験が何度かあった。

大企業の住人たちは価値観が偏りがちだ。

そりゃそうだろう、住人が多いのだから。

体力があるから受け入れたくない価値観をシャットダウンしても経営は成り立つ。

そうやってますます同じ考えの人たちで集まる。孤立する。価値観は凝り固まって偏っていく。

大企業は孤立集落化する危険性をはらんでいると思う。

企業は家族に成り得るか

転職万歳、リストラいたしかたなし。そんな世の中では「古い」といわれるかもしれませんが…

でも私好きなんです、社長・経営者・従業員が家族のように支え合う姿が。

これも凝り固まった価値観の1つでしょうか…現実を知らない美談でしょうか…

この辺のことは動画でうにゃうにゃ言いました↓↓

[読書記録]『下町ロケット』シリーズ|池井戸潤

不景気に向かう今だからこそ読んでみるといいかもしれません、『下町ロケット』シリーズ。

今の時代に必要なリーダー像、働き方を考えさせられます。

最後まで記事読んでくれてありがと!

ほんじゃあね。